手で物を握るとき、自然と握る方向が人差し指側からになることが多いですが、実は小指側から握ることによるメリットがあることをご存知でしょうか?
本記事では、拳を握る際に小指側から握ることのメリットや効果、デメリットについて解説していきます。
目次
手首の骨格構造と小指側から握ることの関係
手首の骨格構造について知っている人は多くないかもしれませんが、手首は8つの小さな骨で構成されています。この骨格構造の中で、最も動きが制限されているのが人差し指側です。
一方、小指側は比較的自由に動かすことができます。
小指から握ることで手首の屈曲運動が必要になり、手首を構成する橈骨と尺骨が内側に曲がるため、手首を安定させるための筋肉がより強く働きます。
具体的には、小指側の手根屈筋や尺側手根屈筋、拇指側にある橈側手根伸筋が負荷を受け、手首の安定性が向上し、格闘技の技術をより効果的に行うことができます。
人差し指側から握る場合は手首を反らせる必要があり、拇指側の手根屈筋が働きますが、この筋肉は小指側の筋肉に比べて細く弱いため、負荷は小さくなります。初心者には扱いやすいですが、パンチ力や正確性には劣ることがあります。
拳を小指側から握るメリットとデメリット
小指側から握る場合のメリット
小指側から握る方法には以下のようなメリットがあります。
●パワーが出しやすい
手首が小指側に傾くことで、握力が向上し、パンチ力が増します。また、小指側から握ることで腕の筋肉がより効率的に使われ、より強力なパンチを放つことができます。
●安定したパンチングモーション
小指側から握ると手首が自然な位置に保たれるため、パンチングモーションがより安定します。特に、繰り返しパンチを繰り出す場合には、手首への負担が少なく、より安定したパンチングが可能になります。
小指側から握る場合のデメリット
一方、小指側から握ることには以下のようなデメリットがあります。
●技術が必要
小指側から握る方法は初心者にとっては難しいかもしれません。正しい手首の使い方を知らないと、手首や関節を傷める可能性があるため、十分な指導を受ける必要があります。
●疲労感が強い
小指側から握る場合、手首や腕の筋肉に負荷がかかるため、長時間のパンチ練習には向かないかもしれません。筋力や耐久力をつけるためのトレーニングが必要になります。
人差し指側から握る場合のメリットとデメリット
人差し指側から握る場合のメリット
人差し指側から握る方法には以下のようなメリットがあります。
●技術的に簡単
初心者でも比較的簡単に手首を使ったパンチングができます。手首の負担も少ないため、練習しやすく、初心者にはおすすめの方法です。
●疲れにくい
人差し指側から握る場合、手首や腕の筋肉に負荷がかかりにくく、長時間のパンチ練習にも向いています。
人差し指側から握る場合のデメリット
一方、人差し指側から握ることには以下のようなデメリットがあります。
●パワーが出にくい
手首が人差し指側に傾くため、握力が弱く、パンチ力が出にくくなります。
●不安定なパンチングモーション
手首が人差し指側に傾くため、パンチングモーションが不安定になり、正確性が失われる可能性があります。
まとめ
あの大山倍達総帥も亡くなるまで拳の握り方について悩んでいたという話があるように、そのシンプルな動作にも奥深さがあることを示唆しています。実際に、拳を握るという単純な動作にも、正しいフォームや力の入れ方、リラックスした状態での緊張など、多くの要素が含まれています。
今回の考察の結果からは、小指側から握ることでより自然で力強い握力を発揮することができ、手首にかかる負荷を分散することができるため、怪我のリスクを減らすことがわかりました。
誠空会のYouTubeの動画を参考にどうぞ。
ただし、初心者にとってはこの握り方が難しい場合があります。正しいフォームを身につけることが重要であり、適切な指導やトレーニングを受けながら、徐々に負荷をかけるようにしましょう。握力トレーニングにおいても、フォームや負荷のかけ方を間違えると怪我のリスクが高まってしまうため、正しい方法でトレーニングを行うことが大切です。