
「痩せたいけれど、腰が痛くて運動できない」——道場でも、大人の方からよくいただく相談です。
🔴 まず、痛みが続いている場合は医療機関を受診してください。
しびれがある、足に力が入らない、じっとしていても痛む——こうした場合は、運動より先に診てもらう必要があります。
この記事は、医師から運動を止められていない方が、何に気をつけて再開するかの話です。
「運動できない」の多くは、種目の問題です
腰痛があると「運動そのものが無理」と考えがちですが、実際には特定の動きが痛いだけであることが多いです。
痛みが出やすい動きは、だいたい次のどれかに当てはまります。
| 痛みが出やすい動き | よくある種目 |
|---|---|
| 前にかがむ | 腹筋(上体起こし)・前屈・デッドリフト |
| 腰をひねる | ゴルフ・野球・急な方向転換 |
| 反らす | 背筋運動・一部のヨガのポーズ |
| 着地の衝撃 | ランニング・ジャンプ・縄跳び |
この4つを避けられる種目なら、続けられる可能性があります。
先に整えるべき2つ
① 体幹(お腹まわりを固める感覚)
腰痛の多くは、腰そのものより、腰を支える力が足りないことに関係します。
まずやるのは、腹筋運動ではありません。上体起こしは、前にかがむ動きなので、痛みが出やすい代表格です。
代わりにやるのは、動かさずに固める練習です。
- 四つん這いから、対角の手足をまっすぐ伸ばして10秒(左右各3回)
- 仰向けで膝を立て、お腹を軽くへこませたまま静かに呼吸する(30秒)
痛みが出ない範囲で。痛みが出たらすぐやめてください。
② 姿勢(立ち方と座り方)
1日のうち、運動している時間は1時間もありません。残りの23時間の姿勢のほうが、腰への影響は大きいです。
- 座るときに、骨盤を立てる(背もたれに寄りかかりきらない)
- 立つときに、片足重心にしない
- 同じ姿勢を1時間続けない(立ち上がるだけでいい)
武道の稽古で最初にやる「立ち方」が、実はここに効きます。足の裏のどこに体重が乗っているかを確認するだけの時間——地味ですが、姿勢はここから変わります。
続けやすい運動の条件
| 条件 | なぜ |
|---|---|
| 着地の衝撃が少ない | 走る・跳ぶが少ない種目 |
| 強度を自分で調整できる | その日の状態に合わせられる |
| 前にかがむ動きが少ない | 痛みの出やすい動きを避けられる |
| 指導者がいる | 無理をしたときに止めてもらえる |
最後の項目が特に大事です。一人でやる運動は、痛みが出ても続けてしまいます。
武道・格闘技系を検討する場合
宣伝ではなく、条件だけ書きます。
向いている面
– 立った状態の稽古が中心なので、前にかがむ動きが少ない
– 強度を自分で調整できる(本数を減らせる)
– 姿勢と体幹の稽古が、そのまま含まれている
注意が必要な面
– 回し蹴りなど、腰をひねる技がある(無理に高く蹴らない)
– 受け身・組手のあるクラスは、衝撃と急な動きがある
– 準備運動の前屈など、痛みが出る動きが混ざることがある
⚠ 始める前に、腰痛があることを必ず指導者に伝えてください。伝えてあれば、その動きを外す・別の練習に替えるといった配慮ができます。伝えないまま無理をするのが、いちばん良くありません。
再開するときの順番
| 週 | やること |
|---|---|
| 1〜2週 | 姿勢と体幹だけ(上の2つ・1日5分) |
| 3〜4週 | 痛みが出ない範囲で歩く・軽く動く |
| 5週〜 | 運動を1つ始める(週1回から) |
| — | 痛みが出たら、前の段階に戻る |
「前の段階に戻る」ができるかどうかが、続くかどうかを分けます。痛みを押して進むと、結局止まります。
よくある質問
Q. 腹筋を鍛えれば腰痛は治りますか。
A. 上体起こしは、前にかがむ動きなので痛みが出やすい運動です。鍛えるなら、動かさずに固める種類の練習から始めてください。そして治療については医師の指示に従ってください。
Q. 痛みがある日は休むべきですか。
A. 休んでください。「動かしたほうがいい」と言われることもありますが、それは医師の判断があってのことです。自己判断で押さないでください。
Q. ダイエットしたいのですが、運動できません。
A. 運動できない期間は、飲み物のカロリーをやめるだけでも変わります。運動が再開できるまで、食事側でできることをやるほうが現実的です。
Q. 体験のときに何を伝えればいいですか。
A. 「腰に不安がある」と最初に伝えてください。それだけで、外せる動きは外せます。
最後に
腰痛があると、「もう運動は無理」と思ってしまいがちです。けれど実際には、避けるべき動きを知って、伝えて、強度を調整すれば、続けられることのほうが多い——これは現場で見ている実感です。
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